K10のジュエリーには、どのような特徴や魅力があるのでしょうか？また、金のジュエリーには「K10」や「K18」といった表記がされていますが、何がどう違うのでしょうか？

この記事では、K10の定義やK18との違い、K10ならではの魅力や注意点などをご紹介します。

K10とは？K18とどこが違う？

はじめに、K10とはどのような貴金属かをご紹介します。また、K10と比較される機会が多いK18との違いも解説します。

K10の定義

K10とは「全体の重量のうち、約42%が純金でできている貴金属」を指します。金の純度は24分率で表現され、K24は金の純度が100％です。そのため、K10は金の含有量が24分の10、すなわち約42％含まれていると表記されています。残りの約58%には銀や銅など他の貴金属（割金・わりがね）が混ぜられており、どのような貴金属を使うかはメーカーや商品によって異なります。

ちなみに「K」とは金の純度を示す単位である「karat（カラット）」の頭文字です。宝石の質量を表す「カラット」は「carat」というスペルで、頭文字は「C」です。発音は似ていますが、まったく別の単位ですので混同しないように注意してください。

K18との違い

K18は金の含有量が24分の18、つまり「全体のうち約75％が純金でできている貴金属」を指します。純金が多く含まれているK18の方が、K10に比べると価値は高いです。しかし、純金は変形しやすい金属ですので、K18の方が傷に弱い・割れやすいといった懸念点が挙げられます。

K10もK18も高級感のある見た目をしており、キラキラと輝いて非常に美しいです。ですが、K10とK18では色味が若干違います。K10はやや白っぽくてスッキリとした印象で、柔らかくて優しい色合いです。K18は温かみがあってハッキリとした印象で、明るくて鮮やかな色合いです。

K10の特徴や魅力

ここからは、K10の特徴や魅力を解説します。K10にはメリットがたくさんあるので、アクセサリー選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

リーズナブルで商品数が多い

昨今は、金の取引価格が1gあたり約10,000円と非常に高騰しているので、金が含まれている割合が高いK24やK18は販売価格が高くなっています。そのため、金の価格が高騰している現在では「金を使ったジュエリーは欲しいけど、値段が高すぎて購入できない」という方は少なくないでしょう。

しかし、K10であれば金の割合が42％ほどですので、K24やK18と比べるとリーズナブルな価格で購入できます。10,000〜20,000円と手が届きやすい価格帯で販売されているため、K10は「低価格で金のジュエリーを手に入れたい」という方でも購入しやすい点が魅力です。

また、近年では金の価格高騰によりK10ジュエリーの人気が高まっており、様々なブランドから多種多様なアイテムが出ています。自分が気に入るデザインのアクセサリーが見つかる可能性が高く、商品の選択肢が多いこともメリットです。

安っぽくなく高級感がある

薄い金を付着させる金メッキ加工を施したり、チープに見えないように各メーカーがデザインに工夫を凝らしたりしているので、最近のK10のアクセサリーはK24やK18に負けないくらい高級感がただよっています。人気が上昇しているK10は注目度が高まっていて、今ではK10＝安っぽいという印象は払拭されています。見ただけではK10かどうか分からないほど高い技術力を持って製造されているため、どなたでも気軽に購入できるでしょう。

頑丈で変色しにくい

前述の通り、純金にはとても柔らかい性質があるため、変形したり傷がついたりしやすいというデメリットがあります。気を遣いながら身に着ける必要があり、普段使いには向いていないでしょう。

一方で、K10には硬度の高い銅・銀・パラジウムなど他の金属が混ぜられているため、純金よりも強度が高いです。ぶつけたり落としたりしても傷みづらく、日常的にジュエリーを身に着けたい方におすすめです。

カラーバリエーションが豊富

K10の色味は割金の種類や含有量によって変わるので、さまざまなカラーに仕上げられる点が魅力です。以下ではカラーゴールドとして特に人気が高い「ピンクゴールド」「ホワイトゴールド」「イエローゴールド」の3つの特徴をそれぞれご紹介します。

ピンクゴールド

ピンクゴールドは、純金に銅・銀・パラジウムなどの金属を混ぜて作られます。銅を多く含んでいるほどピンク色が濃くなるので、K10のピンクゴールドは濃いめのピンク色に仕上がります。メーカーによっては「ローズゴールド」「レッドゴールド」「ピーチゴールド」と呼ばれることもあります。

イエローゴールド

イエローゴールドは、純金に銀と銅などの金属を混ぜて作られます。K10では金の割合が少ないので、温かみのあるマイルドな黄色に仕上がります。肌なじみの良い淡い黄色をしているため、日本人の肌色に似合いやすく、浮いた印象になりづらい点がメリットです。

ホワイトゴールド

ホワイトゴールドは、純金に銀やパラジウムなどの金属を混ぜて作られます。K18のホワイトゴールドと比べると、K10のものは黄色みが薄くなります。変色を防ぐためロジウムコーティングを施されたジュエリーの場合、K18・K10どちらも同じ色合いに仕上がります。

K10のジュエリーの注意点

K10のジュエリーには注意しておきたいポイントが4つあります。以下の点に気をつけて取り扱いましょう。

変色しやすい

K10のジュエリーは純金製ではないため、使用条件によっては錆びて変色する可能性があります。

K10が変色する主な原因は、割金として使われている銅の酸化によるものです。銅は酸素に触れると酸化する性質があるため、ただ箱や袋に収納しているだけでも少しずつ変色する恐れがあります。また、温泉や入浴剤に含まれる硫黄が銅と反応すると変色を引き起こしやすいため、必ずK10のアクセサリーは外してから入浴しましょう。

近年販売されているK10のアクセサリーには、酸化を防止するために加工が施されているものがありますが、純金ではないため変色する可能性は拭えません。詳細は後述しますが、日頃からお手入れをして変色させないように注意しましょう。

修理を断られる恐れがある

硬度が高い銅やパラジウムなどを含んでいるK10は、純金に比べると頑丈ではありますが、その硬さゆえにサイズ直しや修理を断られる場合があります。

純金など柔らかい金属であれば、簡単にサイズ変更や修理ができます。ですが、K10をはじめとする硬い貴金属は加工が難しいです。もしK10のジュエリーの割れ・欠けを修理してもらいたかったり、指輪の大きさを変えたかったりする場合、再加工を断られることが考えられます。

普段使いしやすいK10だからこそ、修理に出す可能性があることを踏まえたうえでアクセサリーを購入しましょう。購入後に再加工してもらえるかを確認してから、ジュエリーショップを選ぶことがおすすめです。

金属アレルギーの方は使用を控える

K10に含有している銅とパラジウムは、金属アレルギーを引き起こしやすいと言われているので、金属アレルギーの自覚がある方はアクセサリーの着用を控えましょう。

金属アレルギーは、汗や涙などの体液によりジュエリーから溶け出た金属イオンが、体内のタンパク質と結合してアレルゲンとなることで発症します。金属アレルギーの主な症状は腫れ・かゆみ・痛み・赤み・かぶれ・湿疹などで、酷ければ発熱や全身の倦怠感なども現れます。

金属アレルギーを起こしにくい貴金属として、純金・純銀・プラチナ・チタン・ジルコニウムなどが挙げられます。金属アレルギーの方は、これらの金属を使ったK10のジュエリーを購入しましょう。自分が金属アレルギーなのかが分からない場合は、皮膚科のクリニックや大学病院の専門外来などで実施しているパッチテストを受けてみてください。

また、ピアスやブレスレットでは何ともなかったにもかかわらず、ネックレスやリングでは金属アレルギーが起こる場合があります。これは、汗に触れる機会が多い首元や手にアクセサリーが接しているためです。金属アレルギーの自覚がない方でも、ネックレスやリングを身に着けると金属アレルギーになる可能性があるので、心配であればパッチテストを受けることをおすすめします。

強くこすると表面が剥がれる可能性がある

K10のアクセサリーには、金属以外にも金メッキや金張りが使用されています。

「K10GP」のGPは「Gold Plated」の略で、K10の金メッキが施されていることを意味します。金メッキとは金以外の金属に、電気分解で薄い金の膜を貼り付けたものです。「K10GF」のGFは「Gold Filled」の略で、金張り加工がされていることを意味します。金張りとは薄い板状の金を熱圧着させたものです。

金メッキと金張りの違いは金の厚みで、金張りの方が金メッキよりも約100倍もの厚みがあります。また、金張りの方が金メッキより金の部分が厚い分、金メッキよりも高級です。

しかし、いずれの加工法も薄いK10を付着させたものですので、強くこすると剥がれてしまうことが懸念されます。汚れが気になるからと爪やブラシでゴシゴシとこすったり、硬いものにジュエリーをぶつけたりしないように、細心の注意を払いましょう。

K10のジュエリーのお手入れ方法

K10のアクセサリーのお手入れ方法をご紹介します。K10に含まれることが多い銅は変色しやすい性質を持っているので、日常的に丁寧にお手入れをしましょう。

柔らかいクロスで優しく拭く

K10は酸化によって変色するため、酸化の原因となる汗・水・皮脂・化粧品などをしっかりと拭き取りましょう。

K10は純金に比べると頑丈で傷つきにくいとはいえ、ティッシュや目の粗い布、研磨剤入りのクロスなど硬い布で拭くと、小さな引っかき傷がついてアクセサリーの保存状態が悪化してしまいます。普段のお手入れでは、必ずジュエリー専用のクロス・眼鏡拭き・セーム革・ガーゼといった柔らかい素材の布で優しく拭いてください。

K10の変色・くもり・小傷が気になる場合は、研磨剤入りのクロスで拭くと輝きが戻ります。特に汚れや変色などが目立つときに限って、研磨剤入りのクロスを使うことをおすすめします。

薄めた中性洗剤で洗う

柔らかいクロスで優しく拭いても汚れが取れない場合は、中性洗剤で水洗いしてください。一般的な台所用洗剤は中性洗剤ですので、自宅でいつでも手軽に洗えます。クロスで取り損ねた細かい部分の汗や皮脂なども綺麗に洗浄できるので、汚れが気になったらアクセサリーの隅々までクリーニングしましょう。

コップや洗面器にぬるま湯を入れ、中性洗剤を数滴溶かしてK10のジュエリーを入れます。5分ほど浸け置きしたら、力を入れないように注意しながら、柔らかいブラシで優しくこすってください。水で洗剤を流し、水分を拭き取れば完了です。錆びの原因になるため、水分を残さないようしっかり拭き取りましょう。

ただし、ダイヤモンドやカラーストーンなど宝石があしらわれている場合、留め具の劣化につながる恐れがあるため水洗いは避けてください。特に水に弱い真珠・オパール・珊瑚などは御法度です。必ず購入したジュエリーショップに依頼して、専門的なクリーニングをしてもらいましょう。

販売店や専門店にクリーニングを任せる

K10のアクセサリーに細かな傷が多くついていたり、変色が進んでいたりする場合は、自分で何とかしようとせずに専門店にクリーニングを任せましょう。ジュエリーショップや貴金属のメンテナンス専門店では、経験豊富なプロによるクリーニングを行っています。自分でできるお手入れに限界を感じたら、遠慮なくプロの手を借りましょう。

K10の販売店によっては、クリーニングは無料としている場合があります。クリーニングサービスが付帯しているかを確認してからアクセサリーを購入することが賢明です。

K10を手放すなら大手の買取業者がおすすめ

K10のアクセサリーの売却を考えているなら、大手の買取業者に依頼することをおすすめします。大手の買取業者なら査定料・買取料などの手数料が無料で、即日査定してくれるところがほとんどです。また、査定額に納得できたら現金かつ手渡しで受け取れるのも魅力です。ジュエリーを売るか悩んでいる方でも、まずは気軽に相談してみてください。

K10は金の価格が高騰している今が売り時

もしお手持ちのK10のジュエリーが不要になったら、金の取引価格が高騰している今が売り時です。金の価格は短期的に見れば徐々に下がっていくと予想されているので、来年や再来年に買取に出すと査定額が低くなる可能性が充分あります。金の価格が過去最高額を叩きだしている現在こそ、K10を含めた金のアクセサリーを売却する絶好のタイミングと言えます。もう着用しなくなったK10ジュエリーをお持ちの方は、この機会にぜひ買取に出すことを検討してみてください。

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