世界5大時計とは?各ブランドの歴史や特徴、人気モデルなどをご紹介
世界5大時計とは世界中で愛されている老舗の時計メーカーを指し、「パテック・フィリップ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」「オーデマ・ピゲ」「ブレゲ」「ランゲ&ゾーネ」が挙げられます。各ブランドの歴史や特徴を筆頭に、代表的な人気モデルをご紹介します。
世界5大時計の各ブランドの歴史・特徴
世界5大時計ブランドのそれぞれの歴史と特徴を解説します。なお、「パテック・フィリップ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」「オーデマ・ピゲ」は「世界3大時計」に数えられており、時計ブランドの中でも世界最高の品質を誇っています。
パテック・フィリップ
世界5大時計の中でも最も格式が高いとされる、パテック・フィリップの歴史と特徴をご紹介します。
パテック・フィリップの歴史
パテック・フィリップは、ポーランド出身のアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックと、フランソワ・チャペックの2人によって、1839年にスイスのジュネーブで創業されました。創業当初は2人の名前を取って「パテック・チャペック」という社名でしたが、チャペックが退社してフランス人時計師のジャン・アドリアン・フィリップが入社したことで、現在の「パテック・フィリップ」に改名しました。
1851年、ロンドン万国博覧会に世界初の鍵なし懐中時計を出品すると、見事に金賞を受賞しました。1868年にはスイス初の腕時計を製作したことで、一躍有名になります。1881年に高精度緩急調整機構の技術特許を取得すると、それを皮切りに次々と特許を取得して実績を築き上げました。また、パテック・フィリップはデザイン・設計・製造のすべてを一貫して自社で担っているので、他の時計ブランドにはない美しさと性能の高さを誇ります。
パテック・フィリップの特徴
パテック・フィリップはムーブメントからケース、文字盤まで全て自社で製造する、世界でも数少ないマニュファクチュールの1つです。品質に絶対の自信があるからこそ永久修理保証に対応しており、何世代にもわたって使い続けられる時計を生み出しています。また、「永久カレンダー」「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」など、複雑機構を搭載した時計を得意としています。さらに、全モデル合算で年間生産数は約6万本と非常に少なく、パテック・フィリップの時計は希少価値が高いことも大きな特徴です。
ヴァシュロン・コンスタンタン
世界最古の歴史を誇る名門時計ブランドであるヴァシュロン・コンスタンタンの歴史と特徴をご紹介します。
ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史
1755年にジュネーブで創業したヴァシュロン・コンスタンタンは、弱冠24歳の時計職人ジャン=マルク・ヴァシュロンによって創業されました。1819年に敏腕ビジネスマンであるフランソワ・コンスタンタンを共同経営者として迎えたことにより、社名は現在の「ヴァシュロン・コンスタンタン」へと改名されます。
コンスタンタンは自身の営業力を存分に発揮したことでブランドの価値が高まって、1900年代にはエジプトやインドの王族への贈答品として選ばれるようになり、世界的な腕時計メーカーへと成長を遂げました。1981年にはチャールズ皇太子と結婚するダイアナ妃へのお祝いとして特別設計のモデルを製作したことで、さらに知名度と人気を高めました。
ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴
ヴァシュロン・コンスタンタンは約270年にも及ぶ長い歴史の中で培ってきた伝統的な技術と、現代的なデザインや技術を融合させている点が特徴です。複数の複雑機構を搭載したり、厚さ1.64mmと超薄型ムーブメントを実現したりするなど、高度な技術を駆使した時計を製作しています。
また、1880年からブランドのシンボルとしてマルタ十字を採用しており、洗練されていてエレガントなデザインが目を引きます。マルタ十字とは、キリスト教の騎士修道会であるマルタ騎士団の象徴とされる記号で、ゼンマイの巻きすぎを防止するために香箱に入れられているパーツの形が十字だったことが由来です。シンプルでありながら品格が漂うデザインで、クールで引き締まった印象を与えてくれます。
オーデマ・ピゲ
世界最薄サイズを追い求め続ける、オーデマ・ピゲの歴史と特徴をご紹介します。
オーデマ・ピゲの歴史
オーデマ・ピゲは、1875年にスイスのジュウ渓谷にあるル・ブラッシュという小さな町で、時計職人ジュール=ルイ・オーデマとエドワード=オーギュスト・ピゲによって創業されました。オーデマはムーブメント開発、ピゲは営業と仕事を分担したことで、瞬く間に経営が軌道に乗ります。創業からわずか13年後の1888年には、パリやニューヨークなど世界的な大都市に次々と出店するほど急成長を遂げました。
創業から150年近く経った今でも、ブランドの経営はオーデマやピゲの親族に引き継がれています。今まで一度も断絶せずに一族経営を続ける稀有なブランドとして、世界中の時計愛好家から愛されています。
オーデマ・ピゲの特徴
オーデマ・ピゲは創業以来、複雑機構を搭載したり、新しいデザインに挑戦したりした時計を得意としており、その技術力の高さや斬新さは世界中から高く評価されています。今やブランドを代表するモデルである「ロイヤルオーク」は、それまでリーズナブルな価格の時計にしか使用されなかったステンレススティールを、高級腕時計ブランドとして世界で初めて採用した名品です。その画期的な発想に加え、デザイン性と性能の高さからオーデマ・ピゲの知名度を一気に高めました。
1986年当時で世界最薄1.64mmの自動巻きトゥールビヨンを搭載した腕時計は、世界に衝撃を与えました。さらに、2018年にはケースサイズが直径41mm×厚さ6.3mmと、当時世界最薄のパーペチュアルカレンダー搭載モデルである「ロイヤルオーク パーペチュアルカレンダー ウルトラシン」を発表。オーデマ・ピゲの限界に挑み続ける姿勢や、たぐいまれなる技術力の高さが見て取れるでしょう。
ブレゲ
世界初となる複雑機構をいくつも生み出した、ブレゲの歴史と特徴をご紹介します。
ブレゲの歴史
ブレゲは1775年、天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲによってパリで創業されました。ブレゲは時計製造において革新的な技術を次々と生み出し、数々の複雑機構を発明しました。その功績の偉大さから「時計の歴史を200年早めた男」と称されるほどです。現在当たり前のように多くの人に身につけられている腕時計の原型を作ったので、「腕時計ブランドの重鎮」と言えるでしょう。
また、ブレゲの時計はヨーロッパ各国の王室をはじめ、ナポレオン・ボナパルト、マリー・アントワネット、ロシア皇帝アレクサンドル1世、オスマン・トルコ皇帝、イギリス国王ジョージ4世やビクトリア女王などの手元を飾りました。世界史の教科書に載っているような偉人たちに愛されたことから、いかにブレゲが高い芸術性や性能を誇っているかが伺えるでしょう。
ブレゲの特徴
ブレゲのデザイン面での特徴は、なんと言っても「ギョーシェ彫り」と呼ばれる繊細な模様が施された文字盤です。ギョーシェ彫りとは文字盤に規則的なデザインパターンを彫る加工方法で、石畳のようなパヴェ・ド・パリや、太陽光線のようなソレイユなどバリエーション豊かなモチーフがあります。「ブレゲ針」と呼ばれる先端が月を連想させる形状の針や、アラビア数字を斜体にした「ブレゲ数字」といった装飾も、ブレゲならではの美しさを放っています。
ブレゲが開発した機構の代表格と言えるのが「トゥールビヨン」です。時計にかかる重力の負担を最小限に抑えるための機構で、可能な限り精度を高めることに成功しました。また、日付を自動的に調整する「パーペチュアルカレンダー」や、時間を音で知らせる「ミニッツリピーター」など、現在の高級時計ブランドでは人気が高い複雑機構もブレゲが発明しました。いかにブレゲが時計業界に大改革をもたらしたかが伺えるでしょう。
ランゲ&ゾーネ
創業地を財政難から救い、第二次世界大戦後から復活を果たしたランゲ&ゾーネの歴史の特徴をご紹介します。
ランゲ&ゾーネの歴史
1845年、ドイツのグラスヒュッテで、フェルディナンド・アドルフ・ランゲによってランゲ&ゾーネは創業されます。グラスヒュッテは銀の産地として名を馳せていましたが、当時は銀が枯渇してしまい財政難に苦しんでいました。そんな中で生まれたランゲ&ゾーネがみるみる頭角を現したことで、グラスヒュッテは精密時計産業地帯として栄え、財政難から脱却することに成功しました。
しかし、第二次世界大戦後の1948年には、旧東ドイツ政府に資産を没収されたことで、ブランドは一度消滅してしまいます。それから40年以上経った1990年、創業者フェルディナンドのひ孫で4代目に当たるウォルター・ランゲによって復活を果たしました。現在では時計やファッションブランドなどの運営元会社を保有しているリシュモングループの傘下に入り、名品を発表し続けています。
ランゲ&ゾーネの特徴
ランゲ&ゾーネは復活してから現在まで、すべてのムーブメントを自社で製作しています。モデルごとにムーブメントを製作するほど、時計へのこだわりに余念がありません。また、2003年からは老舗の高級ブランドでも外注することが一般的なひげゼンマイの自社製造に着手し、マニュファクチュール体制を徹底しています。
ランゲ&ゾーネの時計はクラシカルなデザインが多く、シンプルで洗練されたデザインは、時代を超えて愛される美しさを有しています。銅版画で使われる凹版技法「エングレービング」を得意としていて、文字盤やムーブメントに鮮明な線を彫り込むことで生まれる、芸術作品のような独特なデザインが魅力的です。
世界5大時計ブランドの人気モデルを解説
世界5大時計ブランドはどのモデルも高い人気を誇りますが、その中でも特に需要があるモデルを解説します。
パテック・フィリップ
パテック・フィリップで人気が高いモデルを3つご紹介します。
カラトラバ
1932年に誕生したカラトラバの最大の特徴は、無駄を排したシンプルなデザインです。装飾を極力抑えたラウンドケース、視認性の高いバーインデックスとドーフィン針、そして流麗なラグは、時代を超えて愛される普遍的な美しさが魅力です。洗練されたデザインですのでシーンを問わずに使いやすく、世界中で熱い支持を得ています。
ノーチラス
ノーチラスは1976年に誕生した、パテック・フィリップで初めてのスポーツウォッチです。船の舷窓をモチーフにした八角形のケース、左右に張り出した「耳」と呼ばれる突起、水平エンボス模様の文字盤など、他の高級時計とは一線を画す独創的なデザインが特徴です。流行に左右されない普遍的なデザインで、発売から40年以上経った今でも高い人気を誇っています。
アクアノート
アクアノートは、1997年に発表された比較的新しいコレクションですが、すでにパテック・フィリップを代表するモデルの1つとなっています。丸みを帯びた八角形のケースは、エレガントでありながらスポーティーな印象です。凹凸のある格子状の文字盤は、光の当たり具合によって表情を変え、見る者を飽きさせません。
ヴァシュロン・コンスタンタン
ヴァシュロン・コンスタンタンで人気が高いモデルを3つご紹介します。
オーヴァーシーズ
オーヴァーシーズは、1996年に誕生したヴァシュロン・コンスタンタンを代表するスポーツウォッチです。ステンレススティールケース、マルタ十字モチーフのベゼル、3針+デイト表示というシンプルなデザインは、洗練されたスポーティーエレガンスを体現しています。また15気圧防水、48時間パワーリザーブ、300ガウスの耐磁性能の機能性を有しており、どんな場面でもストレスなく使いやすいです。
パトリモニー
パトリモニーは、1950年代のヴァシュロン・コンスタンタンのモデルを現代的に解釈したデザインが特徴です。熟練した職人の手作業による繊細な装飾が施されていて、文字盤のギョーシェ模様やケースのポリッシュ仕上げが目を引きます。ケースの薄型化にこだわっており、厚さ4.0mmから8.1mmまでのバリエーションがあるので、演出したい気分によって選べる点が魅力です。
トラディショナル
トラディショナルは、1930年代から50年代にかけてヴァシュロン・コンスタンタンで製造されたモデルへのオマージュとして誕生しました。分目盛りを線路に見立てた「レイルウェイミニッツトラック」、細かいギザギザが刻まれたケースデザインの「コインエッジ」、シンプルで読みやすい「バーインデックス」など、シンプルかつクラシックなデザインが特徴です。シンプルな2針モデルから複雑機構を搭載したモデルまで、幅広いバリエーションが展開されています。
オーデマ・ピゲ
オーデマ・ピゲで人気が高いモデルを3つご紹介します。
ロイヤルオーク
ロイヤルオークはオーデマ・ピゲを代表するコレクションで、八角形のベゼルと手彫りがされたギョーシェ仕上げの「タペストリー文字盤」が特徴です。スポーツウォッチとドレスウォッチの要素を融合させた革新的なデザインで、高級腕時計として初めてステンレススティール素材を使用したことで、オーデマ・ピゲの名を世界に轟かせました。デザインはパテック・フィリップのノーチラスを生み出したジェラルド・ジェンタが手がけ、スタイリッシュで華やかな印象に仕上げられています。
ロイヤルオークオフショア
ロイヤルオークオフショアは、1993年に誕生したオーデマ・ピゲのスポーツウォッチです。「ロイヤルオーク」をベースに、より力強くスポーティーなデザインに進化させたモデルとして人気を博しています。ロイヤルオークよりもケースの厚さと直径が大きくなり、より男性的でスポーティーなデザインに昇華されました。文字盤に施された「メガタペストリー」やラバーストラップが、ワイルドな雰囲気を演出します。
ミレネリー
ミレネリーの最大の特徴は、古代ローマのコロッセオからインスピレーションを得たと言われる独創的な楕円形ケースです。一般的な円形ケースとは一線を画す有機的なフォルムは、エレガントでありながら力強い印象を与え、単なる腕時計ではなく芸術作品のような存在に進化しています。2006年以降に発売されたモデルでは、アシンメトリーのオープンダイヤルが採用されていて、ムーブメントの一部が文字盤を通して見えるので、メカニカルでクールな雰囲気を醸し出しています。
ブレゲ
ブレゲで人気が高いモデルを3つご紹介します。
マリーン
マリーンは、18世紀末にアブラアン・ルイ・ブレゲが製作した航海用精密時計「マリン・クロノメーター」をモチーフにしたコレクションです。1990年代に誕生し、エレガントなデザインと高い性能を兼ね備えたスポーツウォッチとして人気を博しています。立体的なインデックスやスポーティーなラバーストラップ、大きめのケースサイズなどを採用しており、力強くガッシリとした印象を与えます。
クラシック
クラシックは無駄を削ぎ落とした、極めてシンプルなデザインが特徴です。装飾的な要素は控えめにし、視認性と機能性を重視した設計となっています。ギョーシェ彫り文字盤やブレゲ針などのブレゲ伝統の要素を取り入れており、文字通りクラシックな印象に仕上げられています。
トラディション
トラディションは、18世紀にブレゲが製作した懐中時計「スースクリプション」からインスピレーションを得ています。多くのモデルでは透明なケースバックが使われており、地板に施された美しい装飾や、複雑な機構を透明なケースバックから眺められます。まるで機械式時計の心臓部を覗き込むような、特別な体験を与えてくれるでしょう。
ランゲ&ゾーネ
ランゲ&ゾーネで人気が高いモデルを3つご紹介します。
ランゲ1
ランゲ1は1994年に発表された、ランゲ&ゾーネを代表するアイコンモデルです。最大の特徴は、オフセンターダイヤルとアウトサイズデイトを組み合わせた左右非対称の文字盤で、ドレスデンのゼンパー歌劇場にある五分時計からインスピレーションを得たデザインとなっています。他のどの時計とも似つかない独創的な装飾で、独特な個性を有しています。
サクソニア
サクソニアはランゲ&ゾーネの生まれ故郷であるグラスヒュッテが位置する「ザクセン」州のラテン語読みで、ランゲ1と同時に発売されました。一切の無駄を排したミニマルなデザインで、必要最低限の要素のみで構成されたダイヤルは洗練された美しさを放っています。視認性の高さにこだわりたい方、装飾がない時計が好きな方におすすめです。
オデュッセウス
オデュッセウスは2019年に発表された、ランゲ&ゾーネ初のスポーツウォッチです。120m防水を実現しており、レジャーやスポーツなどアクティブなシーンでも楽しめます。ケースの厚みはわずか11.1mmと非常に薄く、スポーティーテイストを際立たせています。
世界5大時計ブランドを高価買取してもらうコツ
世界5大時計ブランドの逸品を、少しでも高価買取してもらうためのコツをご紹介します。できるだけ損をせずに売りたい方は、ぜひチェックしましょう。
付属品を揃える
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時計専門の買取業者で売る
高級ブランドの時計は、時計専門の買取業者で売ることをおすすめします。時計に関する専門知識や査定技術、買取実績が豊富ですので、お持ちの時計の価値を正確に見抜いた上で買取額を提示してもらえます。安く買い叩かれることなく手放せるので、大切な時計を1円でも高く売りたいなら買取業者を利用しましょう。
世界5大時計まとめ
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