腕時計投資とは？

腕時計投資とは、将来的な値上がりを見込んで高級腕時計を購入し、価値が上がった段階で売却して利益を得る投資方法です。投資アイテムにはインゴット・記念コイン・不動産・株式・FXなどが挙げられますが、腕時計であれば日常的に使用することができるため、資産形成と同時に実用性を両立できる点が腕時計投資の最大の魅力です。

また、高級腕時計はコレクション性の高いものも多く、資産価値だけでなく美的価値も高いので、芸術作品としても楽しめます。生産本数が少なく希少価値が大変高いので、株式や不動産のように、ある日唐突に価値が大暴落するという可能性が低く、資産価値が下がりにくい投資アイテムとして注目されています。

投資におすすめの腕時計ブランド

時計市場で高い知名度や需要を誇り、投資に適したおすすめの腕時計ブランドをご紹介します。併せて、価値が高くなりやすいコレクションも解説します。どの腕時計を購入しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ロレックス

ロレックス（ROLEX）は、スイスに本社を置く世界最高クラスの高級腕時計メーカーです。1905年にハンス・ウィルスドルフ氏によってイギリスで創業し、ムーブメントから本体までをすべて自社で製造するマニュファクチュールメーカーとして有名です。自動巻上機構の「パーペチュアル」や、0時ぴったりに日付が切り替わる「デイトジャスト」といった数々の発明品を生み出した名門中の名門ブランドで、投資対象として高い注目を得ています。

デイトナ

「キング オブ ロレックス」という別名が付くほどたたえられるデイトナは、現行モデルよりも生産終了モデルのほうが人気が高いので、ほかのブランドよりも投資アイテムを選びやすいです。ロレックスが製造する唯一のクロノグラフという箔もあり、価値は上がりやすいでしょう。

サブマリーナ

ダイバーズウォッチの代名詞的な存在であるサブマリーナは、「グリーンサブ」「赤サブ」などの名品がそろっており、レアコレクションも多数存在します。近年では定価の数倍もの価格で取引されている逸品もあるので、憧れのロレックスで投資を始めたい方は要チェックです。

ロレックス投資については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

ロレックス投資とは？メリットやおすすめモデル、注意点をご紹介

オーデマ・ピゲ

オーデマ・ピゲ（Audemars Piguet）は時計の世界三大ブランドに数えられるほど有名で、高級腕時計ブランドとして世界で初めてステンレススティールを採用するという偉業を成し遂げました。創業から150年経った今でも人気が高いブランドです。

ロイヤルオーク

ロイヤルオークは八角形のベゼルと手彫りがされたギョーシェ仕上げの「タペストリー文字盤」をはじめ、スティールケースや一体型ブレスレットが特徴のコレクションです。八角形のベゼルと六角形のビスがトレードマークとなっており、スポーツウォッチのような堅実さとドレスウォッチのような華やかさが見事に融合されています。

ミレネリー

ミレネリーは名前のとおり、西暦2000年の到来を記念したコレクションです。古代ローマの闘技場・コロッセオのデザインからインスピレーションを得たとされる楕円形ケースが目を引き、芸術作品のような美しさを誇ります。現在は生産終了していて、幻の逸品と位置付けられているので、今後も価値が上がり続けると予想されています。

パテック・フィリップ

パテック・フィリップ（Patek Philippe）は、スイスのジュネーブに本拠地を置く、世界的に有名な高級時計メーカーです。1839年の創業以来、その卓越した技術と芸術性を融合させた腕時計を作り続け、世界中の時計愛好家から絶大な人気を集めています。「時計界のロールスロイス」と称されるほどのクオリティとステータス性の高さを誇り、世界最高峰の腕時計として君臨しています。

カラトラバ

カラトラバはクラシックなデザインが特徴で、ラウンド型のケース・細身のベゼル・シンプルな文字盤が魅力です。ドレスウォッチとして、フォーマルな場面にもふさわしいエレガントな雰囲気を醸し出します。どんなシーンでも使えて万人受けするので、投資アイテムとして非常に人気が高いです。

ノーチラス

ノーチラスはパテック・フィリップで初となるスポーツウォッチで、丸みを帯びた八角形のベゼルや、水平に配置されたエンボス加工の文字盤が特徴的です。1976年に誕生し、発売から半世紀近くが経っていますが未だに人気は衰えず、今なお不動の地位を確立しています。スポーティでありながらエレガントな雰囲気も兼ね備えていて、世界中から高い需要があります。

オメガ

オメガ（OMEGA）はスイスで1848年に創業された高級腕時計ブランドです。ブランド名はギリシャ語でのアルファベットの最終文字で、「最高」「究極」といった意味を持つ「Ω（オメガ）」が由来です。シンプルながらも洗練されたデザインが多く、ビジネスシーンからカジュアルな場面まで多様なシーンで活躍するので、幅広い年代から愛されています。

スピードマスター

スピードマスターは1965年にNASAに標準装備品として正式に認定され、1969年のアポロ計画で人類が初めて月面着陸した際に着用された時計で、「ムーンウォッチ」とも呼ばれています。月面着陸を達成したほどの高い耐久性と性能、世界初のタキメーター搭載ベゼルといった偉業を成し遂げた功績から、歴史とロマンあふれる逸品として常に高い需要があります。

シーマスター

シーマスターは第二次世界大戦中にイギリス軍からの要請を受けて開発された「マリーン」がルーツとなっている、高い防水性・耐衝撃性・耐磁性を誇るコレクションです。映画「007」で主役のジェームズ・ボンドが着用したことでも有名で、007とコラボしたしたコレクションである「007 エディション」シリーズは、007の新作映画が公開されると価値が上がるかもしれません。

IWC

IWCはインターナショナル・ウォッチ・カンパニー（International Watch Company）の略で、1868年創業という長い歴史を持つ高級腕時計ブランドです。スイス時計産業の中心であり、ドイツと国境を接するシャフハウゼンに本社を構えていることから、工業大国のドイツらしい質実剛健な構造が特徴です。

ポルトギーゼ

1939年、ポルトガルの時計商から「マリン・クロノメーターに匹敵する精度の腕時計を」という要望があり、誕生したのがポルトギーゼです。マリン・クロノメーターは、航海中に正確な経度を知るために使用されていた当時の最高精度の時計でした。ポルトギーゼは、海洋上での揺れ・湿気・温度差などに影響されないほどの精度を有しています。長く身に着けても飽きの来ない、ごくシンプルなデザインが特徴です。

パイロットウォッチ

パイロットウォッチはその名のとおり、パイロット（飛行士）のためにデザインされた腕時計です。パイロットの要件に合わせて設計した計測機器の草分け的存在で、航空計器を思わせるフェイスデザイン、大きく見やすい数字や針が目を引きます。上空でも使用できるほどの堅牢性を有していることから不動の人気を誇り、価値が暴落する可能性はかなり低いでしょう。

ヴァシュロン・コンスタンタン

ヴァシュロン・コンスタンタン（Vacheron Constantin）は「パテック・フィリップ」「オーデマ・ピゲ」と並び世界3大時計ブランドに数えられており、数ある高級腕時計ブランドの中でも最高ランクに位置しています。1755年創業と大変長い歴史を誇り、約270年間にわたり培われてきた卓越した技術力と美しいデザイン性が世界中で高く評価されています。

オーヴァーシーズ

オーヴァーシーズは、伝統と革新が見事に融合した、ラグジュアリースポーツウォッチの代表格です。オーヴァーシーズは「海外へ」という意味で、旅をテーマにしたデザインが特徴です。例えば過去のコレクションでは裏蓋に帆船が描かれていたり、現行モデルでは風配図をモチーフにしたローターが採用されていたりします。

トラディショナル

トラディショナルは1930年代から50年代にかけて製造されたコレクションへのオマージュとして生まれた逸品で、エタージュケースやレイルウェイ・ミニッツトラックなど伝統的なデザインが施されています。比較的シンプルなデザインのものが多く、今でも新作が登場しているほど人気が高いので、今後も価値は上がっていくと予想されます。

腕時計投資に挑戦する際の注意点

腕時計投資を始めたいと考えている場合、いくつか注意するべきポイントがあります。いきなり投資する腕時計を探さず、以下の注意点をよく読んでから実践しましょう。

短期間で一攫千金は得られない

大前提として、腕時計は実際に腕に着けて時刻を確認したり、見た目の美しさを楽しんだりするものです。投資アイテムとして人気が高まっているとはいえ、株式・債券・不動産のように資産形成アイテムとして製造されているわけではありません。ましてや短期間での一攫千金を狙って宝くじやパチンコといったギャンブル感覚で購入するのは、職人が手作業で何カ月もかけて1本ずつ丹精込めて製造している腕時計ブランドに対して失礼です。

加えて、「どのアイテムが」「いつからいつまで」「どのくらい価値が上がるか」と短期的かつ具体的な予想を立てることは、プロの投資家でも不可能だといわれています。「生産終了が発表された」「有名芸能人がドラマで着用した」など、一過性の出来事で腕時計の価値は大きく変動する場合があるので、腕時計投資では短期間で多大な利益を出すことは大変難しいです。

そのため、「腕時計を着用して楽しんでいたけど、いつの間にか買ったときより価値が上がっていた」「ただ使っていただけなのに、お釣りが来た」という心持ちで腕時計投資に臨むことが大切です。純金積立や投資信託のように、長期間じっくりと保有できるマインドを持って腕時計投資を始めましょう。

流行中のモデルは避けるべし

「流行しているから」という理由だけで、安易に腕時計を選んで投資することは避けましょう。その流行が長期的に続くのであれば利益が出やすいので問題ないですが、短期間で終わってしまった場合には赤字になる可能性が高いためリスクが大きいです。

長期間にわたりデザインを変更していない、かつ数十年単位のロングセラーの逸品が高値で売れやすいという傾向があります。腕時計投資をするときは、こうした名品と名高いコレクションを選ぶことをおすすめします。

また、奇抜なデザインやマニアックな機構を搭載したコレクションは、今後価値が高くなるのか予想しづらいので、ギャンブル的な要素を含みます。ですので、利益を出すことを考慮して投資したいのであれば、定番コレクションを選んだほうが資産価値は安定するでしょう。

しまったままでは腕時計が傷みやすくなる

まったく実用せずに完全に投資目的で腕時計を購入して、購入後は一切着用することなく保管したまま放置する、ということは絶対にやめてください。腕時計を使用せずにしまったままにしておくと、内部の油が固着してしまい、劣化につながる可能性が高いです。きれいな状態のまま保管しておきたいという気持ちは分かりますが、腕時計投資で利益を出したいと考えているなら、少なくとも定期的にゼンマイを巻いてあげましょう。

万単位のランニングコストがかかる

腕時計の経年劣化を防いで、購入したときの保存状態を維持したいなら、定期的にオーバーホールに出して丁寧にメンテナンスをしましょう。オーバーホールの頻度は、機械式時計であれば3～5年に1度、クォーツ式であれば4～7年に1度とされています。腕時計メーカーの正規店にオーバーホールを依頼すると、費用は1回あたり50,000～100,000円程度が相場です。

投資するコレクションや保持する年数によって変動しますが、腕時計の購入費用だけではなく、オーバーホールの費用だけで万単位のランニングコストがかかります。そのことを踏まえた上で、「どの腕時計に投資するか」「どのタイミングで売却するか」を決めましょう。

自社製ムーブメントに執着しない

腕時計におけるムーブメントとは、心臓部ともいえる時計を動かすための内部機械のことですので、高い技術力が問われます。確かにムーブメントを腕時計ブランドが自社で製造していたり、名品として世界中で愛される逸品だったりすれば価値が高いとされることが多いです。しかし、かといって「自社製ムーブメントを搭載している＝いつでも、どんなコレクションでも必ず価値が高い」というわけではありません。

腕時計の価値はムーブメントだけではなく、フェイスや文字盤のデザイン・搭載されている機構や機能・知名度・流行・現行品か生産終了品かなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って決まります。ですので、「自社製ムーブメントさえ搭載していれば、絶対に価値が高い（今後上がる）」とは言い切れません。自社製ムーブメントはあくまでも価値を決める一因でしかないので、過信せずに投資するコレクションを選びましょう。

中古品でも価値が高くなる可能性がある

腕時計投資の初心者は「新品の腕時計を購入しなくては」「中古品なんて今後価値が上がらない」と思い込みがちですが、そうではありません。有名メーカーの腕時計であれば、コレクションや保存状態などによりますが、中古品であっても価値が上がる可能性は十分見込めます。

また、具体的な定義はないものの、時計業界では1970年代よりも前に製造された機械式の腕時計を「アンティーク」や「ヴィンテージ」と呼ぶことが多いです。ヴィンテージウォッチは大多数が中古品ですが、すでに生産が終了していて希少価値が非常に高いので、どんどん価値が上がり続けている逸品が存在します。

ただし、中古品の腕時計を購入する際は、最後にいつオーバーホールされたかを確認しておくことが大切です。購入した段階でオーバーホールが必要な状態であれば、別途で修繕費がかかるので、利益が少なくなってしまいます。投資するなら1円でも多く利益を出したいところですので、直近でオーバーホールされたと判明している腕時計をゲットしましょう。

腕時計を売却するなら買取業者がおすすめ

腕時計投資では「購入してから×年後までに売却する必要がある」「購入額の○％を上回る利益が出たら手放さなければならない」といった制約は一切ありません。ですので、投資を続けて「十分に利益が出た」「まだ保有し続けたら赤字になるかも」と感じたタイミングが来たら、ためらわずに売却しましょう。

腕時計を売ろうと思ったら、フリマアプリやオークションサイトではなく、ぜひ買取業者を利用してください。フリマアプリやオークションサイトはスマートフォン1台あれば誰でも気軽に利用できますが、落札者とメッセージのやり取りに手間がかかったり、出金時に多額の手数料が必要となったりと不便な点が挙げられます。

一方で多くの買取業者は、当日中に査定から支払いまでが完結できたり、手数料が一切かからなかったりとメリットがたくさんあります。そのため、その日のうちに査定金額を満額受け取れる買取業者の利用がおすすめです。

買取業者選びに迷ったらシグマをご利用ください！

買取業者のシグマでは、時計の専門知識や査定技術を有する経験豊富な査定員が在籍しています。大切にされてきた高級腕時計の価値をしっかりと見抜いた上で、他社よりも高額で買取させていただきます。もちろん、シグマでは査定料・買取料・キャンセル料などの各種手数料は完全無料ですので、どなたでも安心してご利用ください。「相見積もりを取っているから、買取金額だけ知りたい」という方も歓迎いたします。

腕時計投資まとめ

腕時計投資は株やFXのように、短期間で莫大な利益を上げることは狙えないので、長期間にわたり投資を楽しめる人が向いています。「腕時計として愛用しつつ、もし利益が出たらうれしいな」という感覚を持てるなら、ぜひ腕時計投資に挑戦してみましょう。

また、腕時計を購入するなら、今後価値が上がりやすいロレックスやパテック・フィリップといったブランドがおすすめです。「しまったままでは腕時計が傷みやすくなる」「万単位のランニングコストがかかる」といった点に注意しながら、楽しく投資しましょう。

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