小判の現在の価値とは?種類や買取相場、真贋の見分け方などを解説

小判の現在の価値とは?種類や買取相場、真贋の見分け方などを解説
一口に小判と言っても、その種類は千差万別で、種類ごとに価値が異なります。小判の定義や歴史を踏まえたうえで、小判の種類や現在の価値をご紹介します。また、自宅でできる本物の小判の見分け方も解説するので、持っている小判の真贋を知りたい方は最後までご覧ください。
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一口に小判と言っても、その種類は千差万別で、種類ごとに価値が異なります。小判の定義や歴史を踏まえたうえで、小判の種類や現在の価値をご紹介します。また、自宅でできる本物の小判の見分け方も解説するので、持っている小判の真贋を知りたい方は最後までご覧ください。

小判とは?定義や歴史を解説

小判の価値を知るためには、まず定義や歴史について把握しておく必要があります。小判の特徴を詳しくご紹介します。

小判の定義や特徴

小判とは、安土桃山時代から江戸時代にかけて流通した貨幣の一種で、額面はすべて1両です。金と銀を混ぜ合わせた合金で作られた小さい楕円型の貨幣で、主に通貨として用いられていました。合金でありながら金色の見た目をしている理由は、「色揚げ」という加工を施して表面に露出している銀を取り除いて金色を鮮やかに見せているからです。

初期の小判には墨書(ぼくしょ)という、職人によって墨で手書きされた文字が記載されていました。しかし、江戸時代に入って小判の製造枚数が多くなると、墨書の代わりに花押印・極印・験極印などの刻印がされているものが流通しました。刻印の種類によって、同じ小判でも価値が変わる場合があります。

小判の歴史

最初の小判は、1595年に発行された「駿河墨書小判(するがすみがきこばん)」です。その後、1860年に小判として最後に発行される万延小判まで、計12種類が発行されました。

江戸幕府は、小判は全国的な通用を前提としていました。ですが、常陸・甲斐・伊豆・佐渡などの金山から金を採取していたこと、金貨の一般通用は徳川家康によって新たに打ち出された政策であったことから、関東地方を中心に流通しました。

採取できる金には限りがあるので、古くなった大判や小判を市場から回収して新しいものに鋳造し直す「改鋳(かいちゅう)」が、江戸時代の初期から末期に至るまで何度も行われました。そのため、その時代の経済状況によって発行される小判の純度は変わっています。

例えば、江戸時代初期に鋳造された慶長小判(けいちょうこばん)の純度は約84%でしたが、最後に発行された万延小判では60%未満にまで下がっています。小判には長い歴史があるのですべてに高い価値があるように感じられますが、貴金属としての価値は種類によって異なるので、一概に値打ちがあるとは言い切れません。

小判の種類と現在の価値

全12種類の小判について、それぞれの特徴と現在の価値をご紹介します。掲載する買取相場は非常に保存状態が良いものを想定しているので、あくまでも参考としてご確認ください。

駿河墨書小判

駿河墨書小判は1595年に鋳造されたと言われている小判で、日本最古の小判とされています。「京目壱両 駿河」と書かれた墨書が特徴です。鋳造させた大名は、自分の領地である駿河に移ったときの徳川家康なのか、豊臣秀吉の家臣であった中村一氏なのか、まだ明確には分かっていないというロマンが詰まった小判です。

金の純度が約84%と小判の中では高く、歴史的な価値も極めて高いです。また、現在までにたった数枚しか発見されていないので、相場は100万円から数千万円と高価買取が大いに期待できるでしょう。

武蔵墨書小判(むさしすみがきこばん)

武蔵墨書小判は、前述の駿河墨書小判と並んで日本最古とされる小判で、表面には「武蔵壹两(いちりょう)光次」と墨書きが施されています。もともとの製造枚数が少なく、後年に新たな貨幣鋳造のために回収された経緯があることから、極めて希少価値が高いです。

江戸時代から本格的に流通することとなる小判の原型とされており、歴史的価値が高いことから古銭コレクターからの需要が高いです。また、金の純度は約84%と貴金属としての価値も高いので、相場は100万円から数千万円と高額での買取が期待できます。

慶長小判

慶長小判は1601年に徳川家康が御用達彫金師として抱えていた後藤家に命じて鋳造させた小判で、発行年が慶長6年のため「慶長小判」と呼ばれています。江戸幕府が初めて発行した公式の流通貨幣ですので、歴史的価値がとても高いです。「江戸座」「京座」「駿河座」というように、鋳造場所や極印によってさらに種類が細かく分けられています。

慶長小判は、表面に刻まれている「茣蓙目(ござめ)」から鋳造時期が調べられます。初期の茣蓙目は線が荒く、後期のものは線が細いという特徴があります。現存する慶長小判で比較すると、初期の茣蓙目は7、後期では3という割合で確認されており、後期のものほど希少価値が高いです。

金の純度は約84%で、他の小判に比べると大きめのサイズで作られています。慶長小判の相場は数十万円から200万円ほどですが、初期のものであれば希少価値があるため、最高で500万円もの買取価格がつくことが期待できます。

元禄小判(げんろくこばん)

元禄小判は1695年(元禄8年)に発行された小判です。扇に囲まれている桐紋に加え、上下に単位の「壹两」と金座の責任者である後藤庄三郎光次の名前「光次」の印と花押が刻まれた図柄が特徴です。

慶長小判は金の純度が高く、流通量があまり多くなかったため、市場に広く浸透しませんでした。そのため江戸幕府は、慶長小判に銀を混ぜて貨幣の流通量の増大を狙い、2枚の慶長小判に銀を混ぜて3枚の元禄小判を鋳造します。金の純度は約57%と慶長小判の約2/3にまで下がりましたが、江戸時代の経済発展に貢献した小判ですので、古銭コレクターの間では有名で需要が高いです。

元禄小判は裏面の極印により種類が分けられ、「元」の字の跳ねが長ければ「長元」、短ければ「短元」と呼ばれます。長元の相場は約30万円〜200万円ですが、短元の方が長元より希少性が高いので50万円から250万円ほどとされています。

宝永小判(ほうえいこばん)

宝永小判は1710年 (宝永7年)に発行された小判で、裏面に「乾」の極印があるため「乾字金」や「宝永金」とも呼ばれます。畳の模様のように一列にたがね(工具の一種)が刻まれており、上下には桐紋と扇の枠があります。

元禄小判は金の純度が低くて折れやすかったことから、慶長小判と同レベルの約84%に戻して製造されました。ですが、この頃は金の産出量が不足していたので、慶長小判の約半分のサイズで作ることで純度を保つという工夫がなされました。小判としては小さめではあるものの、相場は50万円から300万円ほどと高めになっています。

正徳小判(しょうとくこばん)

正徳小判は1714年(正徳4年)発行された小判で、大量に鋳造された純度の低い小判を回収し、高品位の金貨を鋳造するのが目的でした。しかし、実物は目標としていた後期の慶長小判の品位に届かず、悪い評判が目立ったことから4カ月ほどで製造が終了してしまいます。そのため希少価値は極めて高く、買取相場は50万円から200万円程度と言われています。

享保小判(きょうほうこばん)

享保小判は1714年(正徳4年)に発行されました。小判の金品位を高めるために鋳造されたものの、金の産出量が低下していたので、すでに発行されていた元禄小判や宝永小判を改鋳して作られました。ところが、これらの小判を回収したことで市場全体における通貨の量が減って不況となってしまい、約20年製造した後に次の元文小判へと切り替えられます。

亨保小判は金の純度は高いですが、流通量は小判の中で比べると多い方ですので、保存状態が良いもので60万円程度の価格で買い取られるでしょう。

元文小判(げんぶんこばん)

元文小判は1736年(元文5年)、8代将軍である徳川吉宗の時代に製造された小判で、70年以上という長期間にわたって発行されました。市場の通貨量を増やすために金の純度を落として作られたので、現存枚数が多くて希少価値はほとんどありません。

しかし、製造工程ごとの試験に合格した際に刻まれる印の組み合わせが「大吉、小吉、堺長、馬神、久吉、守神、久長」となっている場合には、縁起物の「七福小判」とされます。こちらは価値が高いものと判断されることから、買取相場は10万円から高ければ50万円ほどとなります。

文政小判(ぶんせいこばん)

文政小判とは1819年(文政2年)に鋳造された小判で、背面に草書体で「文」の文字が刻まれていることから「草文金」とも呼ばれます。文政小判は江戸時代に発行された小判の中では、金の含有量が最も低い小判です。しかし、鋳造の際に裏面に押される印の組み合わせによっては縁起物とされるので、古銭市場で高い人気があります。

また、流通用と別に献上用に特別に鋳造された文政小判も存在し、その価値は通常品の10倍ほどになります。文政小判の価値はおおむね10万円から30万円ですが、献上用のもので保存状態が非常に良ければ100万円を超える買取価格が期待できます。

天保小判(てんぽうこばん)

天保小判は1837年(天保8年)に、日本で初めてローラーを利用した延金によって鋳造された小判です。それまでは手作業によって延金されていたので、表面に凹凸やゆがみがありました。ですが、天保小判以降は鋳造技術が格段に向上したため、平面性や均一性が保たれた美しい小判が作られるようになりました。

天保小判は表面には時代印である「保」が刻まれていて、背面に打刻される印の組み合わせによっては縁起物として高い人気がありました。特に、意図的に「大吉」という印が刻まれた献上用の天保小判は、非常に価値の高いものとして扱われています。

天保小判の金品位は56.8%と低く、発行枚数も800万枚以上ととても多いので価値はあまり高くありません。1枚あたり数万円から10万円程度で買い取られることがほとんどでしょう。しかし、献上用の小判は価値が高いため、100万円前後の買取価格がつく可能性があります。

安政小判(あんせいこばん)

安政小判は 1859年(安政6年)に発行された、時代印として裏面に「正」の極印が刻まれた小判です。開国による金の国外への流出を少しでも食い止める目的で鋳造されたので、金の品位は低く、やや小ぶりです。しかし、結局はアメリカが抗議して自国の金銀比価を日本で通用させたことから、大量の安政小判が海外に流出してしまいます。そのため、安政小判はわずか3ヶ月で廃止・回収されました。

慶長小判や元文小判などと比較すると残存数は非常に少なく、貴重な価値の高い小判となっていて、古銭コレクターであっても滅多に入手できない希少品とされています。金品位は56.8%と低いものの、希少価値が高いことから買取相場は20万円から100万円程度でしょう。

万延小判(まんえんこばん)

万延小判は1860年(万延元年)に、日本で最後に鋳造された小判です。最も新しい小判という意味から「新小判(しんこばん)」、あるいはサイズの小ささから「雛小判(ひなこばん)」とも呼ばれています。金の含有量が低く、小判の中では小さめのサイズであるため、買取価格は数万円ほどです。しかし、裏面に「大吉」と刻印されている献上判であれば価値は高く、買取相場は10万円から20万円ほどとされています。

ちなみに、推定ではありますが、それぞれの小判の発行枚数は以下の通りです。駿河墨書小判と武蔵墨書小判の発行枚数は、記録が残っていないため不明です。

小判の名前発行枚数
駿河墨書小判不明
武蔵墨書小判不明
慶長小判14,727,055枚
元禄小判13,936,220枚
宝永小判11,515,500枚
正徳小判213,500枚
享保小判8,280,000枚
元文小判17,435,711枚
文政小判11,043,360枚
天保小判8,120,450枚
安政小判351,000枚
万延小判666,700枚

本物の小判の見分け方

お手持ちの小判が本物かどうかを見分ける方法を2つご紹介します。どちらも自宅で今すぐできるので、ぜひ試してみてください。

磁石を近づける

小判に磁石を近づけてみましょう。金属に金メッキや金張りといった金製品に見せるための加工が施されている場合、磁石にくっつくことがあります。純金は磁石につかないという性質があるので、小判に磁石を近づけてくっつかないなら、本物である可能性が高いと考えられます。

ただし、銀やアルミなど一部の金属も磁石にはくっつかないため、磁石に反応しないからといって必ず純金であると判断することはできません。また、厚いメッキ処理が施されているために磁石に反応しないという場合もあります。磁石を使う方法は、あくまでも見分け方の1つとして参考程度に留めておいてください。

重さを量る

本物と偽物では、小判の重さに違いが見られる場合があります。小判が鋳造されていた江戸時代には正確に測定できる計量機器が使われておらず、本物とまったく同じ重さで偽物を製造できなかったからです。重さを量って本物と比べれば、偽物と判断できることがあるでしょう。

ただし、近年になって製造された偽物には、本物とまったく同じ重さのものが紛れている可能性があるので注意してください。また、小判としては偽物であっても、金が本物であれば貴金属として評価される場合もあります。

小判の価値を知りたいなら買取業者におまかせ!

小判と一言でまとめても12種類も存在し、また墨書・極印・花押などによっても価値が変わります。小判だからといってすべてに高い価値があるわけではなく、専門知識がないと正しい価値を見抜くことは非常に難しいです。そのため、お手持ちの小判の価値を正確に知りたい場合は、古銭を専門的に扱っている買取業者に遠慮なく相談しましょう。

優良な買取業者であれば、古銭に関する専門知識はもちろん、本物の古銭の査定経験が豊富です。古銭の価値を正しく見極めてくれるうえに、偽物かどうかも丁寧に判別してくれます。査定料・買取料・キャンセル料など各種手数料を無料としている買取業者は多いので、気軽に査定を依頼してみてください。

また、小判をはじめ古銭は製造されてから長い年月が経っているため、どうしても経年劣化を免れません。目には見えなくても毎日少しずつ傷んでいるので、価値が高い状態で売りたいなら今すぐに査定員に見てもらいましょう。

小判の価値まとめ

古銭には400年以上の長い歴史があり、合計で12種類も発行されました。小判それぞれに時代背景が盛り込まれており、古銭コレクターの心を掴んで放しません。小判の中には1枚だけで数百万円もの買取額がつけられるものが存在するため、不要であればぜひ買取業者に査定をお任せください。小判を売却する気がなく、「とにかく価値だけを知りたい」という場合でも査定に応じてくれる業者は少なくないので、遠慮なく問い合わせてみましょう。

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